「STEM」と聞くと、プログラミング教室やロボットのキット、高価な実験セットを思い浮かべる保護者の方は多いでしょう。けれど、いちばん大切な習慣、つまり「気づく・問う・試す・もう一度やってみる」は、台所のテーブルで始められますし、お金もかかりません。
1. 何かをする前に「どうなると思う?」と聞く
水を冷凍庫に入れる前に、種を鉢にまく前に、積み木の塔にもう一つ乗せる前に、予想を聞いてみてください。当たっているかどうかは重要ではありません。予想を口に出し、それから観察する。これは科学的な方法そのものの縮図です。冷蔵庫に紙を貼って、予想と実際の結果を書き留めておくのもおすすめです。
2. 分量を量って料理し、それからわざと変えてみる
レシピはひとつの対照実験です。お子さまに計量をまかせ、そのあとで何かひとつをわざと変えてみましょう。砂糖を半分に、卵をひとつ多く、オーブンの温度を10度高く。何が変わったのか、なぜなのかを話します。比率、温度、時間、原因と結果が、ワークシートなしで身についていきます。
3. 何かを分解してみる
古いリモコン、壊れたおもちゃ、ボールペン。ドライバーを2本と、ネジが転がらないようトレーを用意します。目的は直すことではなく、どう作られているかを見ることです。どこが動き、何と何がつながり、作った人は何を選んだのか。ものを分解した経験のある子どもは、身のまわりの「設計されたもの」を、自分にも設計できるものとして見始めます。
4. 制約をつけて作る
「できるだけ高い塔を作って」は、ルールをひとつ加えると面白くなります。使えるのは10個だけ、このコップを乗せられること、手で支えてはいけない、など。制約が遊びをエンジニアリングに変えます。倒れたときは「何がいけなかった?」ではなく「次はどこを変える?」と聞いてみてください。
5. 問いを開いたままにしておく
保護者が言える最も役に立つ一言は、「わからないな。どうすれば確かめられるかな?」です。わからないことは普通のことで、調べることはひとつの技術なのだと示せます。答えが本にあることもあれば、流しでの実験でわかることも、明日まで待つこともあります。その「待つ」も学びの一部です。
- 10分間の予想は、1時間の科学動画に勝ります。
- 材料は地味なもので十分。テープ、ひも、段ボール、懐中電灯、水を張ったボウル。
- 試したことを書き留めましょう。記録が、遊びを学びに変えます。
どれもキットは必要ありません。必要なのは、子どもの隣で一緒に好奇心を持ち、子どもの前で間違えることをいとわない大人です。それが私たちがすべてのセッションで育てているSTEMの習慣であり、その始まりは家庭にあります。
